玄孫とは誰のこと?読み方や何親等か、相続権の盲点まで徹底解説
人生100年時代が定着し、全国の100歳以上の高齢者数が9万5,000人を突破するなか、冠婚葬祭や戸籍の整理、さらには2024年4月から義務化された相続登記の手続きにおいて「玄孫」という言葉に直面するケースが増えています。日常会話では「ひ孫」までしか耳にする機会がないため、いざ家系図や法的な書類で見かけると、正確な読み方や自分との距離感に戸惑う少なくありません。
単なる言葉の知識にとどまらず、直系卑属における親等のルールや、意外と知られていない「再代襲相続」の権利、さらには相続税の2割加算といった実務上のルールまで、家族間でトラブルを未然に防ぐための決定的な事実を体系的に紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:玄孫の読み方は「やしゃご(またはげんそん)」で、ひ孫(曾孫)の子供にあたる「4親等の直系卑属」。
- 要点2:玄孫の次は「来孫(らいそん)」「昆孫(こんそん)」と続き、民法上の親族の範囲は6親等の昆孫が上限となる。
- 要点3:上の世代がすでに他界している場合、玄孫にも「再代襲相続」によって法定相続権が発生するが、税制上の盲点には注意が必要。
【基本と語源】玄孫とは誰のこと?意外と読めない漢字の読み方と何親等かの正解
「玄孫とは誰のこと?意外と読めない漢字の読み方や、自分から見て何親等にあたるのか知っていますか?」という疑問に対し、まず結論からお伝えします。玄孫の読み方は訓読みで「やしゃご」、音読みで「げんそん」と読みます。自分から見て「孫の孫」、つまりひ孫(曾孫)の次に生まれる第4世代目の子孫を指す言葉です。
辞書や歴史的文献を紐解くと、この言葉の歴史は極めて古いことがわかります。『精選版 日本国語大辞典』などの記録によれば、西暦701年(大宝元年)7月の『続日本紀』に記された「大臣、宣化天皇之玄孫」という記述が日本における初出の実例とされています。1300年以上前から、皇室や貴族の血脈を正確に記録するための重要な親族呼称として機能してきました。
多くの人が混同しがちな曾孫と玄孫の違いは、世代の階層と漢字の語源に着目すると明確に理解できます。ひ孫を意味する「曾孫(そうそん・ひまご)」の「曾」には「重なる」という意味があり、孫にさらに世代が重なった状態を表します。一方、ひ孫の次の呼び方である「玄孫」に使われる「玄」という漢字は、古代中国の思想(道教や『千字文』の「天地玄黄」など)において「黒色」「奥深く遠いこと」「かすかで目に見えにくい状態」を意味します。つまり、自分から4世代も離れると、生前に直接顔を見ることが極めて難しくなるほど遠い存在になる、という先人たちの実感が込められているのです。
また、法的な手続きで不可欠となる親等の数え方についても確認しておきましょう。日本の民法では、自分(本人)を基準の「0」として、世代を1つ上下するごとに1親等ずつ加算していくルールが採用されています。
- 自分の子供:1親等
- 自分の孫(子の子供):2親等
- 自分の曾孫・ひ孫(孫の子供):3親等
- 自分の玄孫・やしゃご(曾孫の子供):4親等
このように、「玄孫は何親等にあたるのか」という問いの正解は4親等の直系卑属(ちょっけいひぞく)となります。なお、反対に玄孫の視点から自分(4世代上の先祖)を見た場合、呼称は「高祖父母(こうそふぼ)」となり、日常的な話し言葉では「ひいひいおじいちゃん」「ひいひいおばあちゃん」と呼ばれます。

【玄孫家系図】玄孫の次の呼び名は?来孫・昆孫まで続く驚くべき直系卑属の一覧表
ひ孫の次が玄孫であることを知ると、「では、玄孫の次の呼び名はどうなっているのか?」という疑問が自然と湧いてきます。実は日本の家系図(続柄)の体系には、玄孫のさらに先、第8世代目にあたる子孫まで固有の名称が用意されています。
自分よりも後の世代で、養子や傍系(兄弟姉妹など)に枝分かれせず真っ直ぐ下に続く血筋のことを法律用語で直系卑属と呼びます。この直系卑属の系譜において、玄孫の次に位置するのが第5世代の「来孫(らいそん)」であり、さらにその次が第6世代の「昆孫(こんそん)」です。
ここで極めて重要な法的基準となるのが、民法第725条(親族の範囲)の規定です。民法上、「親族」として法的に認められるのは「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」と厳格に定められています。これを玄孫家系図に当てはめて整理した以下の比較データをご覧ください。
| 世代・続柄の呼称 | 読み方と親等データ | 一般的な基準・自分の理論年齢 | 編集部の見解・法的な位置づけ |
|---|---|---|---|
| 1代目:子 | こ(1親等) | 20歳〜31歳前後 | 第1順位の法定相続人。すべての起点。 |
| 2代目:孫 | まご(2親等) | 40歳〜62歳前後 | 養子縁組(孫養子)でも相続税2割加算の対象。 |
| 3代目:曾孫(曽孫) | ひまご・そうそん(3親等) | 60歳〜93歳前後 | 平均寿命の延伸により、対面できるケースが一般的。 |
| 4代目:玄孫 | やしゃご・げんそん(4親等) | 80歳〜124歳前後 | 生前対面には「4世代連続の早婚」が必須条件となる。 |
| 5代目:来孫 | らいそん(5親等) | 100歳〜155歳前後 | 存命中の対面はギネス級の極めて稀な事例に限られる。 |
| 6代目:昆孫 | こんそん(6親等) | 120歳〜186歳前後 | 民法725条における「親族(6親等内の血族)」の最終ライン。 |
| 7代目:仍孫 | じょうそん(7親等) | 生前の対面は不可能 | 法的な「親族」の範囲外(ただし再代襲相続の理論上の対象)。 |
| 8代目:雲孫 | うんそん(8親等) | 生前の対面は不可能 | 雲のように遥か遠い子孫。歴史上の家系図でのみ使われる呼称。 |
表から明らかなように、来孫とは玄孫の子供にあたる5親等の直系卑属であり、昆孫とは来孫の子供にあたる6親等の直系卑属を指します。法律上「親族」と呼べる直系の子孫はこの昆孫までであり、7代目の仍孫(じょうそん)や8代目の雲孫(うんそん)になると、血は繋がっていても民法上の親族からは外れるという明確な境界線が存在します。
【実態検証】80歳で玄孫誕生も?対面を果たした家族の生の声と現場目線のリアル
理論上の親等は理解できても、「実際に自分が生きている間に玄孫の顔を見ることは可能なのか?」という疑問が残ります。相続や家系図作成を専門とする行政書士の実務シミュレーションによると、以下のような試算が成り立ちます。
仮に自分が20歳で第1子を出産し、その子供も20歳で出産、さらに孫も20歳、曾孫(ひ孫)も20歳で子供を産んだと仮定します。すると計算上は「20歳×4世代=80年」となり、玄孫が0歳で誕生した時点で自分は80歳という計算になります。日本人女性の平均寿命が約87歳、男性が約81歳(厚生労働省の簡易生命表データ)であることを踏まえれば、80歳での玄孫誕生は十分に健康な状態で抱っこできる年齢です。
しかし、ここに統計上の大きな壁が存在します。厚生労働省の人口動態統計によると、現代日本における第1子出産時の母親の平均年齢は約30.9歳です。もし各世代が平均通りの31歳で出産を重ねた場合、玄孫が生まれる時点で本人は「124歳」になってしまい、生前の対面は事実上不可能となります。つまり、現代において玄孫と対面を果たすためには、「長寿であること」以上に「4世代すべてが10代後半〜20代前半で連続して結婚・出産していること」が絶対条件になるのです。
実際に、長寿のお祝い特番や地方紙の取材インタビュー、さらにはSNSやYahoo!知恵袋などのコミュニティに寄せられた「五世代家族」の当事者たちの証言を検証すると、現場ならではのリアルな声が浮かび上がってきます。
- 対面を果たした高祖母(94歳)の手記・インタビューより:「ひ孫が結婚しただけでも奇跡だと思っていたのに、90歳を超えて『やしゃご』の手を握れるとは夢にも思わなかった。自分の命が4代も先に繋がっているのを見ると、もういつお迎えが来ても悔いはないという不思議な安心感がある」
- SNS・知恵袋に見られる親族のリアルな戸惑い:「祖母(86歳)に玄孫が生まれたのですが、お祝い金やお年玉を誰がどこまで包むべきか家族会議になりました。孫が8人、ひ孫が14人いるため、やしゃごまで含めると年金暮らしの祖母の負担が限界を超えています」
公の場で語られる感動的なエピソードの裏側で、実生活においては「多世代化による冠婚葬祭費や交際費の肥大化」「名前と顔が一致しないことによる親族間の気まずさ」といった現実的な悩みが同時に発生していることがわかります。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|玄孫の相続権と代襲相続の範囲
玄孫に関してネット上で最も多く検索され、かつ誤解が蔓延しているのが「玄孫の相続権」に関する問題です。ネットの掲示板や口コミでは「相続権があるのは3親等のひ孫までで、4親等の玄孫には遺産は渡らない」といった誤った情報が散見されますが、これは民法の規定を取り違えた完全な誤解です。
結論から言えば、条件さえ満たせば玄孫にも法定相続人としての権利(相続権)は100%認められます。ここで鍵を握るのが、民法第887条に定められた代襲相続の範囲と「再代襲相続(さいだいしゅうそうぞく)」のルールです。
本来、被相続人(亡くなった本人)の遺産を第1順位で相続するのは「子供」です。しかし、本人より先に子供が亡くなっていた場合は「孫」が引き継ぎ(代襲相続)、孫も亡くなっていた場合は「曾孫」が引き継ぎ、曾孫もすでに他界している場合は「玄孫」が相続人となります(再代襲相続)。
なぜ「3親等まで」という誤解が生まれるのかというと、被相続人に子供がおらず、兄弟姉妹が相続人となるケース(第3順位)と混同されているためです。昭和55年(1980年)の民法改正により、兄弟姉妹の代襲相続は「甥・姪(3親等)」の1代限りで打ち切られ、甥や姪の子供には相続権が引き継がれないことになりました。一方で、子や孫などの直系卑属については再代襲相続に制限がなく、理論上は玄孫(4親等)や来孫(5親等)であっても無限に下の世代へと相続権が連鎖していくのです。
ただし、実務において玄孫に資産を残す際には、絶対に知っておくべき3つの重大な盲点が存在します。
- 存命の親世代を飛び越えた法定相続はできない:子供・孫・曾孫のいずれか1人でも存命である場合(相続放棄をした場合も含む)、玄孫に法定相続権は回りません。玄孫に直接遺産を渡したい場合は、法的に有効な「遺言書」を作成して遺贈するか、生前贈与を行う必要があります。
- 「玄孫養子」や遺贈には相続税の「2割加算」が適用される:玄孫を可愛いからといって普通養子縁組(いわゆる節税目的も含めた養子)にするケースがありますが、相続税法第18条により、被相続人の一親等の血族(実子やその代襲相続人)および配偶者以外の人が財産を取得した場合、算出された相続税額に20%が上乗せされる「2割加算」の対象となります。代襲相続人ではない玄孫(養子や遺言による受遺者)は、この2割加算が直撃するため注意が必要です。
- 放置された土地の「メガ共有化」リスク:2024年4月から相続登記が義務化(違反には10万円以下の過料)されましたが、先祖名義の不動産を数世代にわたって放置していた場合、再代襲相続が繰り返された結果、玄孫や来孫の世代で相続人が数十人〜100人規模に膨れ上がるケースが多発しています。こうなると遺産分割協議のハンコを集めるだけでも数年の歳月と多額の司法書士・弁護士費用を要することになります。
【専門家の視点】多世代家族における心理的バウンダリーと資産承継の教訓
4世代、5世代にわたる家系が存続することは喜ばしい反面、家族社会学および心理学の観点からは、世代間の距離が離れることによる特有の摩擦や構造的リスクも指摘されています。
昭和から平成にかけての日本の伝統的な「イエ制度」の名残が強い地域では、長寿の祖父母・曾祖父母(ひいおじいちゃん等)が家計や土地の決定権を握り続け、下の世代のライフスタイルにまで過剰に干渉するケースが少なくありませんでした。現代の家族心理学において重視されているのは、たとえ直系卑属の血縁であっても、各世帯の自律性を守るための「心理的バウンダリー(境界線)」を明確に引くことです。
特に玄孫が生まれるような多世代家族では、本人の善意(「玄孫のために良かれと思って教育方針に口を出す」「曾孫夫婦の住居選びに資金援助と引き換えに介入する」など)が、若い世代にとっては強い心理的プレッシャーや共依存的な束縛として受け止められるリスクがあります。また、特定の曾孫や玄孫だけを偏愛して生前贈与を行うことは、自分の死後に子供世代・孫世代を巻き込んだ深刻な「争族(遺産分割トラブル)」の火種を蒔くことに他なりません。
【プロの結論】生前贈与や養子縁組をおすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
これまでの法的根拠と現場の実態を踏まえ、玄孫世代への直接的な資産承継(遺言による遺贈、教育資金の一括贈与、養子縁組など)を検討すべき人と、絶対に避けるべき人の判断基準を明確に提示します。
【玄孫への資産承継をおすすめできる人の条件】
- 子・孫・曾孫の全員から事前の合意が得られている人:上の世代の遺留分(最低限保証された遺産取得分)を侵害せず、家族全員が納得している場合。
- 教育資金や結婚・子育て資金の非課税枠を活用したい人:「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度(最大1,500万円)」などは、対象が「直系卑属」と定められているため、玄孫であっても適用可能です(※税制改正による適用期限や残高への課税ルールには最新の確認が必要)。
【玄孫への直接承継に慎重になるべき・避けるべき人の条件】
- 基礎控除を超える多額の資産があり、相続税の「2割加算」が重荷になる人:代襲相続ではない玄孫への遺贈や玄孫養子は、税金面でかえって不利になるケースがあります。
- 未登記の不動産や、分割しにくい自宅土地しか資産がない人:玄孫世代まで権利を分散させると、将来の売却や管理が完全に凍結するリスクが高まります。

「玄孫とは」に関するよくある質問(FAQ)
Q1:玄孫(やしゃご)から見て、自分は何と呼ばれる続柄になりますか?
A1:正式な続柄(漢語表現)では「高祖父母(こうそふぼ)」と呼ばれます。男性であれば高祖父(こうそふ)、女性であれば高祖母(こうそぼ)です。日常の会話では「ひいひいおじいちゃん」「ひいひいおばあちゃん(または、おおばあちゃん等)」と呼ぶのが一般的です。
Q2:高祖父母(ひいひいおじいちゃん等)が亡くなった場合、玄孫も香典を出す必要がありますか?また忌引き休暇は取れますか?
A2:玄孫が未成年の場合や学生で親と生計を一にしている場合は、個別に香典を包む必要はありません。玄孫がすでに社会人として独立して収入を得ている場合は、5,000円〜1万円程度の香典を包むのがマナーとされています。一方、会社の「忌引き休暇(慶弔休暇)」については、多くの企業の就業規則で「3親等内の親族(曾祖父母・ひ孫まで)」を対象としているため、4親等にあたる高祖父母の葬儀では有給休暇を充てるケースが一般的です。
Q3:曾孫(ひ孫)と玄孫(やしゃご)の漢字や順番を簡単に覚えるコツはありますか?
A3:「子・孫・曾・玄・来・昆(こ・まご・そう・げん・らい・こん)」とリズムで暗記するのが最も確実です。3代目の「曾」は「重なる」、4代目の「玄」は「目が眩むほど遠い(黒くかすむ)」という漢字本来の意味をイメージすると、順番が入れ替わるミスを防げます。
まとめ:今後の動向と家系・相続で失敗しないための判断基準
「玄孫(やしゃご・げんそん)」とは、自分から数えて4代目にあたる4親等の直系卑属であり、ひ孫(曾孫)の子供を指す歴史ある言葉です。その先には来孫(5親等)、そして民法上の親族の上限となる昆孫(6親等)まで明確な呼称体系が続いています。
長寿化が進む一方、晩婚化によって生前に玄孫と対面できるケースは依然として貴重な奇跡と言えます。一方で、戸籍の調査や不動産の相続登記においては、再代襲相続によって玄孫世代が法定相続人として浮上するケースが確実に増加しています。家系図を紐解く際や将来の資産承継を考える際は、単なる言葉の知識にとどめず、親等の計算ルールや税制上の規定を正しく理解し、世代間の良好な関係性を守るための判断材料として役立ててください。 (出典: 玄孫 と は(Yahoo!ニュース))